ベルギーの非鉄金属大手ユミコアは5月23日、フィンランドのコバルト製品大手フリーポート・コバルトとフィンランド中西部のコッコラにある同社のコバルト製錬事業およびカソード前駆体(プレカーサー)事業の買収について合意したと発表した。買収金額は1億5,000万ドル(企業価値ベース、運転資金をクロージング価格調整の項目に含める)。買収手続きは、2019年末までに完了すると見込んでいる。
なお、同じくコッコラにあるコバルト微粉末、化学、触媒、セラミック・顔料事業は今回の買収対象に含まれず、フリーポート・コバルトが今後も事業を継続する。
ユミコアは今回の事業買収により、研究開発から、製錬、前駆体製造、カソード材料製造、バッテリーリサイクルに至る、欧州におけるバッテリー材料の価値連鎖(バリューチェーン)を構築することができる。
コッコラのコバルト製錬所は欧州最大の規模で、従業員数は250人。同工場で加工した前駆体を2020年下半期から、ポーランドのニサにあるユミコアのカソード材料工場に供給する予定。