ドイツ連邦経済省(BMWi)は5月31日、連邦政府と自動車メーカーが共同で実施している電気駆動車(エレクトロモビリティ)を対象とした購入補助金制度を2020年末まで延長すると発表した。現行制度の期限は2019年6月30日まで(または、予算を使いきった時点で終了)だが、利用は低調で予算が残っている。助成金額はこれまで通りで、今回も2020年12月31日末、または、予算を使い切った時点で助成を終了とする。
この助成プログラムでは、ゼロエミッション車である純粋な電気自動車(BEV)と燃料電池車(FCEV)に4,000ユーロ、プラグインハイブリッド車(PHEV)に3,000ユーロを補助する。ベースモデルの小売り希望価格が6万ユーロ以下のモデルが対象となる。
助成額に変更はないが、電動車は低速走行時の走行音が静かなことから、今回は新たに、視覚障害者に対応するため音で警告するシステムを組み込む場合、一律100ユーロを助成する制度が盛り込まれた。新しい購入補助金制度のガイドラインは7月1日から適用される。
■ 補助金制度、利用低調
同制度では、12億ユーロの予算(連邦政府が6億ユーロ、同プログラムに参加する自動車メーカーが6億ユーロを負担)を確保している。独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、当初の終了期限の1カ月前となる2019年5月末時点で、政府予算の6億ユーロのうち、3分の1強しか使われていないという。
また、ドイツ政府は、電気駆動車の普及台数を2020年までに100万台とする目標を掲げていたが、連邦陸運局(KBA)の統計によると、ドイツにおける2018年1月1日時点の電気駆動車の保有台数は9万8,280台(電気自動車:5万3,861台、プラグインハイブリッド車は4万4,419台)にとどまっている。