自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は23日、2019年の業績見通しを引き下げた。同社製ディーゼル車に対し当局が違法性の疑いを強めていることを踏まえ引当金を計上するためで、「前年実績をやや上回る」としていた営業利益(EBIT)予測を「前年並み」へと引き下げた。
ダイムラーのディーゼル車には排ガス制御装置を違法に操作する機能が搭載されている疑いが持たれており、独陸運局(KBA)は同社ブランド、メルセデスのSUV「GLK
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CDI」に排ガスを不正に操作するソフトウエアが搭載されている可能性が高いと判断。聴聞手続きを進めている。同社に対しては当局の調査が複数、行われていることから、経営陣は第2四半期(4~6月)に数億ユーロ規模の引当金を計上することを決めた。バン部門の19年の売上高営業利益率についてはマイナス2~4%を予想している。
ダイムラーは違法性を否認し、裁判で争うことも辞さない構えを示しているものの、メディア報道を追認する形でGLK
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CDIのリコール(無料の回収・修理)を行うことを明らかにした。対象となるのは欧州排ガス基準「ユーロ5」に対応した2012~2015年式のモデルおよそ6万台。