欧州委員長、クロアチアのシェンゲン圏入りを後押し

欧州委員会のユンケル委員長は7日、クロアチアのプレンコビッチ首相と会談し、同国のシェンゲン協定とユーロ導入の前段階である欧州為替相場メカニズム(ERM

II)への参加を後押しする考えを示した。欧州委の任期が満了する10月末までに、クロアチアのシェンゲン圏入りを認めるよう欧州連合(EU)加盟国に勧告したい考えで、早ければ2020年にも同国の加入が実現する可能性がある。

クロアチアは2013年7月にEUに加盟したが、15年の難民危機を受けて対外国境管理の厳格化が求められる中、域内での人の自由な移動を保障するシェンゲン協定は未締結となっている。現在はEU加盟28カ国のうち英国、アイルランド、キプロス、ルーマニア、ブルガリア、クロアチアを除く22カ国と、非加盟国のノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタインを加えた計26カ国がシェンゲン圏を構成している。

ユンケル氏はプレンコビッチ氏との会談後、「欧州委の任期満了までにクロアチアのシェンゲン協定締結を承認するよう加盟国に勧告したい」と発言。プレンコビッチ氏はこれを受け、クロアチアがシェンゲン圏入りの条件をすべて満たしていることを欧州委が確認することを期待すると述べた。

ユンケル氏はさらに、クロアチアが早期のユーロ導入に向けて20年のERM

II参加を目指していることに触れ、「クロアチアはERM

IIに参加する準備ができていると思う」と述べた。ERM

IIはユーロ非導入国の通貨とユーロ間の為替相場を安定させるための仕組みで、ユーロ導入を希望する国はERM

IIに2年以上参加していることが要件となる。ERM

IIの参加国は自国通貨の変動幅を予め設定した対ユーロ中心交換レートの±15%以内に抑える必要がある。

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