伊電力最大手エネルは20日、ロシアで運営する石炭火力発電所「レフティンスカヤGRES」を現地同業のクズバセネルゴ(Kuzbassenergo)に売却することで合意したと発表した。取引額は明らかにしていないものの、最低でも210億ルーブル(2億9,290万ユーロ)と見積もられている。ロシア独禁当局の承認を経て、売却手続きが18カ月以内に完了すると見込んでいる。
レフティンスカヤGRESはロシア中部のスヴェルドロフスク州アスベスト市にある施設で、総出力は石炭火力発電所としてはロシア最大の3,800メガワット(MW)に上る。出力300MWの発電ユニット6つと、同500MWのものを4つ備える。現地メディアによると、同発電所の取得にはクズバセネルゴのほか、現地投資会社のESNと、中国の国営エネルギー企業、中国華電集団が関心を示していた。
クズバセネルゴはシベリア南西部のバルナウル市に本社を構える。同地方でベロフスカヤ(出力1,260MW)、トム・ウシンスカヤ(出力1,345MW)、ノボクズネツカヤ(出力297MW)の3発電所を操業している。
エネルはロシアでレフティンスカヤのほか、ネヴィノミスカヤ(南部スタブロポリ、出力1,530MW)、コナコフスカヤ(西部トヴェリ、出力2,520MW)、スレドネウラルスカヤ(中部スヴェルドロフスク、出力1,578MW)の3発電所を運営している。現在は再生可能エネルギーの発電容量拡大に取り組んでおり、5月末には南部のロストフでアゾフスカヤ風力発電パーク(出力90MW)を着工した。さらなるパークの建設に向けた準備を同地とムルマンスクで進めている。