トランプ大統領が対英FTAに強い意欲、強硬離脱派と相次ぎ接触

英国を国賓として訪問したトランプ米大統領は4日、メイ英首相と会談し、二国間の自由貿易協定(FTA)や次世代移動通信システム「5G」をめぐる中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の扱いなどについて協議した。トランプ氏は会談後の共同記者会見で、英国の欧州連合(EU)離脱後に米英間で「極めて大規模な貿易協定」を結ぶための協議を進めていると述べた。

トランプ氏は2020年の大統領選挙に向けて具体的な成果を求めており、以前から英国との貿易協定に強い意欲を示していた。ただ、EU離脱後も一時的に関税同盟に残留するというメイ氏の離脱方針には批判的で、訪英の直前には英紙サンデー・タイムズとのインタビューで英国に「合意なき離脱」を推奨し、物議を醸した。

トランプ氏は会見で「英国は近い将来、EUを離脱するだろうし、離脱すべきだ」と強調。離脱後に米英間で貿易協定を結んだ場合、貿易量が「現在の2~3倍に拡大する可能性がある」と述べた。

ファーウェイの扱いをめぐっては、米国が同盟国に5G通信網から同社製品を排除するよう求めているのに対し、英国は通信インフラの非中核部門で参入を認める方針を固めている。トランプ氏は米英間で「立場の違いを乗り越えることは可能だ」と発言。米国の要求に応じない場合、安全保障に関する情報共有を制限する可能性があると一部で報じられた点については「(英国への制限は)考えていない」と述べた。

一方、トランプ氏は同日、EUからの早期離脱を唱えるブレグジット党のファラージ党首と会談した。トランプ氏は以前から強硬離脱派のファラージ氏を高く評価しており、同氏をEUとの離脱交渉担当に起用すべきだなどと発言していた。ファラージ氏は会談後、ツイッターへの投稿で「良い話し合いができた。トランプ氏は英国のEU離脱を全面的に支持している」と述べた。

また、トランプ氏はこれに先立ち、同じく強硬離脱派の重鎮で次期首相候補のジョンソン前外相と電話会談を行い、メイ氏退陣をにらんで信頼関係の構築を図った。

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