6月の最高気温更新、バート・クロイツナハで39.3度に

西南ドイツのバート・クロイツナハで6月30日午後3時半に気温が39.3度に達し、同月のドイツ最高を記録した。26日に独東部のコッシェンで記録した6月最高(38.6度)をわずか4日で更新しており、今年6月の猛暑ぶりがうかがわれる。フランス南部では28日、同国史上最高の45.9度が記録された。

ドイツ気象局(DWD、日本の気象庁に当たる)が28日発表した6月の国内平均気温(見通し)は19.8度に達し、観測を開始した1881年以降で最高となった。世界気象機関(WMO)が気候学的標準平年値とする1961~1990年の平均を4.4度も上回る水準だ。欧州全域を猛暑が襲った2003年に比べても0.4度高い。

平均気温が高くなったのは、天気が良かったためで、6月の日照時間(見通し)は約300時間に達し、平年値(198時間)を50%も上回った。これまでの最高だった76年(287時間)に比べても10時間以上、長い。東部では370時間を記録した観測地点もある。

一方、6月の降水量(見通し)は55ミリ(1平方メートル当たり55リットル)で、平年(85ミリ)の64%にとどまった。その影響で東部や北部を中心に干ばつの懸念が出ている。ドイツは昨年も記録的な干ばつに襲われ農業、林業、河川交通などに大きな被害で出ており、2年連続の猛暑に対する不安は農家や林業従事者の間で強まっている。

河川に水位をみると、北部と東部を流れるヴェーザー、エルベ、オーデル川で低水準にあり、すでに数週間前から船舶の航行に影響が出ている。一方、ライン川とドナウ川では少なくとも今後2週間は十分な高さが維持される見通しだ。連邦水理研究所(BfG)の研究者は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、「今後3~4週間もおそらく心配ないだろう」との見方を示した。ライン川に関しては5月の降水量が多かったうえ、川上のアルプスの残雪量が多いことを根拠としている。

ライン川の水量は現在、1年前を大幅に上回っている。同川に面したルートヴィヒスハーフェンに巨大工場を持つ化学大手BASFのハンスウルリヒ・エンゲル取締役(財務担当)は、今年は今現在、特に懸念がないと言い切った。ただ、水位の低下で輸送量が大幅に減少した昨年の教訓を踏まえて、原料などのタンク容量と低水位でも航行できる船舶の輸送能力を増強したとしている。

7月に入って熱波はひとまず弱まった。ドイツ南部と北部では今後、雷雨などの形で降水が見込まれている。

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