照明大手の独オスラム(ミュンヘン)は5日、米投資会社ベイン・キャピタルとカーライル・グループが同社を買収する計画を支持すると発表した。両投資会社がこれまでの経営方針に支持を表明したほか、株主その他のステークホルダーの利害を適切に考慮していると判断したため。オスラムは同投資2社の支援を受けて構造改革と事業の拡大を進めることにした。
ベインとカーライルは株式公開買い付け(TOB)を通してオスラムを買収する。買い取り価格は1株当たり35ユーロ。これはオスラムが買収提案を受けたと発表した日の前日(2日)終値を約21%、過去3カ月間の加重平均株価を22.6%上回る水準で、全株式を取得した場合は34億ユーロとなる。
金庫株を除く発行済み株式の70%以上の確保をTOBの成立条件としている。TOBが成功した場合、オスラムは金庫株を全量、両投資会社に売却する意向だ。ベインとカーライルはオスラムの上場廃止を目指しているとみられることから、スクイズアウト(他の株主からの強制的な株式買い取り)に必要な比率の株式取得を目指すと予想される。
両投資会社はオスラムと投資協定を結び、光半導体、自動車向け製品、デジタル製品に経営資源を絞り込むとしたこれまでの経営方針を支持することを取り決めた。オスラムが今後行う企業買収や製品開発については資金面で支援する。事業拠点の存続と雇用についても包括的な保証を確約しており、従業員代表・労働組合と締結した協定を遵守する。