MRG:ロシアITサービス大手MRG、ズベルバンクと提携

ロシアのITサービス大手「メール.ru(MRG)」と国営貯蓄銀行のズベルバンクが、タクシーを使った食品の宅配サービスで提携する。投資規模は1,000億ルーブル(14億1,500万ユーロ)。オンライン決済サービスの普及を受けて伝統的な銀行サービス以外の業種への進出を模索するズベルバンクと、競合ヤンデックスの追撃を目指すMRGの思惑が一致した格好だ。関係当局の承認を経て、この秋にも手続きを完了する。

両社は折半出資で合弁会社を設立する。MRGは出前アプリ事業(デリバリークラブ)の全株式とタクシー事業(シティモビル)の株式22.7%を新会社へ移管するほか、77億ルーブル(1億900万ユーロ)を投資する。少数出資する食品宅配サービス「インスタマート」を合弁会社に組み入れることも検討中だ。

ズベルバンクはレストラン予約アプリ事業(フードプレックス)の株式35%を合弁会社へ移管し、380億ルーブル(5億4,000万ユーロ)を投資する。

新会社の業績に応じ、MRGは1年以内に最大51億ルーブル(7,200万ユーロ)、ズベルバンクは130億ルーブル(1億8,500万ユーロ)を、それぞれ追加投資する。また、合弁会社の株式公開(IPO)も視野に入れる。

VTBキャピタルのアナリストはズベルバンクがMRGとの合弁を機に、ヤンデックスとの提携が弱まる可能性を指摘する。ズベルバンクは現在、「ヤンデックス・マネー」と「ヤンデックス・マーケット」で同社と合弁している。

一方、MRGは中国のアリババグループと提携し、電子商取引サイトの立ち上げを準備中だ。(1RUB=1.72JPY)

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