英国と韓国は22日、英国がEUを離脱した後も現行のEU・韓国の自由貿易協定(FTA)とほぼ同じ条件を維持するための「継続協定」に署名した。英国が合意なき離脱を迎えた場合に備えたもので、離脱に伴い英国がEU・韓国FTAの対象国から外れた時点で新協定が発効する。
EU・韓国FTAは2011年7月に発効した。現在は韓国から英国への輸出品の99.6%(すべての工業製品と農産品の98%)が無関税となっているが、英国がEUから合意なく離脱した場合、例えば韓国製の自動車には10%、自動車部品には3.8~4.5%の関税が賦課される。韓国産業通商資源省によると、英国がEU・韓国FTAを引き継ぐ対韓貿易協定を結ばないままEUを離脱した場合、韓国製品には平均4.73%の関税が賦課される見通しだったが、継続協定の締結により、離脱後も関税ゼロが維持されることになる。
韓国にとって英国はEUで2番目に大きな貿易相手で、2018年の貿易額は約146億ポンドだった。
韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は、継続協定への署名によって英国のEU離脱をめぐる大部分の先行き不透明感が払拭されると指摘。「英国がEUからの合意なき離脱を迎えた場合でも、韓英FTAを通じて両国間の通商関係は連続性と安定性を確保できる」と強調した。
ジョンソン英首相はEUとの合意の有無にかかわらず10月末に離脱する方針。英国は強硬離脱に備えてEU域外の国との間で協定継続に向けた交渉を進めており、これまでにスイス、ノルウェー、イスラエル、チリなどと、EUと当該国の現行FTAに代わる通商協定の内容で合意している。