「合意なき離脱」で酒・たばこ免税を再導入、英財務相が発表

英政府は10日、英国が合意なしにEUを離脱した場合、酒類やたばこを対象とした旅行者向けの免税制度を再導入すると発表した。英国市民がEU諸国から帰国する際、酒類やたばこの免税措置を受けられるようになり、これまで通り持ち込み数量の制限もない。また、英国からEU諸国への持ち出しも免税扱いとなる。

EUでは1999年、域内の人・物・資本・サービスの自由移動を保障する単一市場の原則に反するとして、加盟国間の免税制度を廃止した。しかし、合意なき離脱となった場合、英国は単一市場から離れて域外の第三国と同じ位置づけになるため、免税制度の再導入が可能になる。

ジャビド財務相は「政府はEU離脱に向けた準備を進めており、その一環として、英国人旅行者に免税制度の恩恵を受けてもらえることをうれしく思う」と述べた。財務省の試算によると、例えばEU離脱後にヒースロー空港でワインを購入した場合、国内の販売価格より1本あたり2.23ポンド(約300円)安くなるという。また、EU加盟国の免税店でビールを2ケース購入した場合、12ポンド以上の節約になるという。

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