独自動車部品大手のコンチネンタルは25日、ドイツのバーベンハウゼンにある拠点における生産を2025年末までに段階的に停止する計画を発表した。生産停止に加え、開発業務の約半分を他の拠点に移管する。これらの措置により、同拠点では従業員2,200人以上が影響を受ける見通し。開発に携わる従業員約450人は、内部の配置転換などで対応可能と見ている。生産部門では約1,800人を削減する見通し。
バーベンハウゼンの拠点は1961年の設立。計器盤やヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)などの表示機器や操作システムを開発・生産する事業ユニット(Instrumentation
&
Driver
HMI)の拠点として約3,600人(2018年末時点)が勤務している。
なお、同拠点は引き続き、当該事業ユニットの開発拠点として残り、開発サービスや小規模生産などを続ける計画。
今回の決定は、組織やポートフォリオの見直しにより効率や生産性を向上させ、将来の成長市場に集中するための構造改革プログラム「トランスフォーメーション2019‐2029」の一環に位置づけられる。
コンチネンタルによると、バーベンハウゼン拠点が担当する事業分野では、従来の計器盤からディスプレーへのシフトなど、急速なデジタル化が進んでいるうえ、高効率な生産システムを備える低賃金国の工場の製品との価格競争に打ち勝たなければならない状況にある。また、顧客の自動車メーカーでは、電動化や自動運転技術、ネットワーク化などの分野で開発投資が増えていることに加え、自動販売台数の減少を受けて、自動車部品メーカーへのコスト削減圧力が高まっている。このような状況に対応し、コスト構造を改善し、競争力を強化するためには、既存の事業体制の見直しが急務となっており、バーベンハウゼンでの生産継続は困難と判断した。