Osram:オスラム―AMSが買収提示額引き上げ―

墺センサー大手AMSは9月27日、同社が現在進めている独照明大手オスラムに対する株式公開買い付け(TOB)で買い取り価格をこれまでの1株当たり38.5ユーロから同41ユーロへと2.5ユーロ引き上げると発表した。米投資会社アドベントとベイン・キャピタルからなる企業連合が横やりを入れたことから、買収条件の引き上げを余儀なくされた格好だ。買収総額は45億ユーロとなる。

オスラムに対しては7月、ベインと米投資会社カーライルの企業連合が1株当たり35ユーロでTOBを実施する方針を表明。これに対しAMSは同38.5ユーロの対抗提案を行った。

ベイン/カーライルとAMSのTOBは現在それぞれ実施中。当初はAMSがベイン/カーライルを破ってTOBに成功する可能性が高いとみられていたが、ベインがアドベントと組んでオスラムに対する新たな買収提案を行うことが25日に明らかになったことから、状況が一転し、AMSはTOB条件を引き上げない限りオスラムを買収できない状況へと追い込まれた。アドベント/ベインがAMSを大きく上回る条件で買収すると予告したためだ。

ベインはAMSのTOBに対抗するために、35ユーロとしていた当初の買収提示額を引き上げたい考えだったが、カーライルが拒否したため、新たにアドベントと組んでTOBを行う方針に転換した。アドベント/ベインは今後、短期間の資産査定(デューデリジェンス)を行ったうえで正式の買収提案を行う。発行済みの全株式を取得する意向だ。

オスラムの声明によると、アドベント/ベインはオスラム経営陣が展開してきた経営戦略の支持や、雇用と事業拠点の維持を確約している。AMSはオスラムの分割を計画し、オスラム従業員の反発を招いていることから、従業員と労組はアドベント/ベインの提案を支持する可能性がある。25日時点のメディア報道によると、取締役会、および労使の代表で構成される監査役会の一部はアドベント/ベインの提案に傾いたという。

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