ダイアログ―産業IoT用半導体の開発会社を買収―

英独資本の半導体大手ダイアログ・セミコンダクター(ロンドン)は7日、産業用モノのインターネット(IoT)向け半導体の開発会社である独クリエイティブ・チップスを買収することで合意したと発表した。ダイアログは米IT大手アップルへの依存度を引き下げるために自動車、IoT向けチップ事業の強化方針を打ち出しており、その一環として今回の買収に踏み切った。

クリエイティブ・チップスを最大1億300万ドルで買収する。まずは8,000万ドルを支払い、2020年、21年の売上高に応じて最大2,300万ドルを上乗せする。年内の買収手続き完了を見込む。

クリエイティブ・チップスはフランクフルト近郊のビンゲンに本社を置く企業で、半導体産業が盛んな独東部のドレスデンにデザインセンターを持つ。機械やロボットなど工場内の機器をネットワーク化するための半導体チップを手がけている。

ダイアログは「iPhone」などアップルの製品向けに電力制御用チップを供給するサプライヤーで、売り上げの4分の3をアップルとの取引で獲得してきた。だが、アップルがチップの内製化を進めていることから、アップルとの取引は今後、大幅に縮小する。

同社はこれを踏まえ昨年、アップル向けチップ事業の関連特許と技術者をアップルに譲り渡すことを取り決めた。アップルに供給するチップをオーディオや充電ケーブル用など電力制御以外の分野に絞り込む。アップルとの取引の売上比率を22年以降、35~40%に引き下げる意向だ。

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