独フォルクスワーゲン(VW)の高級スポーツ車子会社ポルシェは10日、米航空機大手エアバスと空飛ぶタクシーの共同開発で基本合意したと発表した。都市化の進展に伴う渋滞の深刻化を背景に都市航空交通(UAM)市場が2025年以降、急速に成長すると予想。プレミアムな空飛ぶタクシーを投入して差別化を図り、需要を取り込む狙いだ。同社のデートレフ・フォン・プラーテン取締役(販売・マーケティング担当)は「ポルシェはスポーツ車メーカーから主導的なプレミアム・モビリティブランドへと発展する。これには長期的に3次元のモビリティが含まれ得る」と強調した。
両社は事業化に向けてUAMの市場見通しや空飛ぶタクシーの投入分野などの調査を行う。機材は垂直離着陸型のものとし、動力源には電力を使用する。
世界では約250もの企業が空飛ぶタクシーの開発に取り組んでいる。こうしたなかで存在感を示すために、ポルシェはプレミアム分野に特化する意向だ。