スウェーデンの自動車大手ボルボ・カーズと親会社の中国自動車大手、浙江吉利控股集団は7日、それぞれの内燃エンジン部門を本体から切り離し、統合すると発表した。従来型の内燃エンジンを使うガソリン車やディーゼル車の需要減退が確実となる中、同部門を統合した新会社を設立し、コスト削減を図る。本体は将来性のある電気自動車(EV)に経営資源を集中する。
新会社には内燃エンジンの製造や研究開発(R&D)部門が統合され、吉利の「リンク」や傘下のプロトン、ロータスなどにエンジンを供給する。他のメーカーへの供給も視野に入れている。新会社の登録地や構造など詳細は未定。
ボルボと吉利は欧州と中国で自動車の排ガス規制が強化される中、EVやハイブリッド車(HV)に力を入れ始めている。ボルボは2025年までに車種の半分をEV、残りをHVとする方針だ。
新会社設立には、同部門を両社の本体から分離することで、経営資源をEVに集中する体制を整えると同時に、内燃エンジン関連資産の共有化や部品の共同調達によって次世代のHV用エンジンなどを低コストで開発、生産する狙いがある。