ドイツ政府は17日、2020年の国内総生産(GDP)成長率予測を引き下げた。通商摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱、経済の先行き不透明感を踏まえたもので、従来見通しの実質1.0%から0.5%へと下方修正した。今年については従来予測(0.5%)を据え置いた。
第2四半期(4~6月)のGDPは前期を実質0.1%下回り、3四半期ぶりに減少した。エコノミストの間では第3四半期(7~9月)も縮小し、ドイツが景気後退局面(2四半期以上続くマイナス成長)に入るとの見方が強い。
ペーター・アルトマイヤー経済相はこれを踏まえ、税負担の軽減や、法令で企業に義務付けられた事務負担の軽減、将来技術への投資、デジタル化の推進を通して景気を活性化する考えを示した。ただ、景気テコ入れ策で財政赤字を計上することについては、ドイツ経済はそこまで危機的な状況に陥らないとして、否定的な立場を強調した。また、経済状況を現実よりも悪く語ることは消費者と企業の景況感を悪化させ好ましくないとの認識を示した。
今回の予測は中期税収予測の前提として利用される。