コンチネンタル―景気見通し悪化で赤字転落―

自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)は22日、2019年第3四半期(7~9月)と12月通期の損益が赤字に転落する見通しを明らかにした。自動車業界の景気低迷が長期化する可能性が高まっていることを受けて巨額の評価損を計上するためで、第3四半期は営業損益(EBIT)と純損益、12月期は純損益が赤字になるとみている。

同社は世界の乗用車・小型商用車市場が今後5年間は本格回復しないと予想。これを踏まえ、第3四半期に評価損25億ユーロを計上する。主に2007年以前に行った買収でのれん代の評価額を引き下げる。このほか引当金も計上することから、12月期の特別損失は少なくとも28億ユーロに達する見通しだ。

コンチネンタルはパワートレイン部門ヴィテスコを全面的に分離(スピンオフ)し、その直後に新規株式公開(IPO)を行う意向も明らかにした。これまではIPO後も過半数株を保持する意向を示してきたが、市場の先行きが不透明なことから計画を変更し、全株式を手放すことにした。これによりヴィテスコは、コンチネンタルに制約されずに経営方針を決定できるようになる。スピンオフは来年4月の株主総会で正式決定し、同年中にも実施する方向だ。

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