オスラム―墺AMSが再びTOBへ―

墺センサー大手AMSは18日、独照明大手オスラム(ミュンヘン)に対し再び株式公開買い付け(TOB)を実施する意向を表明した。同社の対オスラムTOBは今月上旬に失敗したばかり。そうしたケースでは通常、1年間は同一企業に対するTOBを実施できないが、TOB対象の企業が同意した場合は1年以内でも再びTOBを行えることから、AMSはオスラム経営陣を説得し2度目のTOBに踏み切る意向だ。独金融監督庁(BaFin)が承認すれば、TOBを実施できる。

AMSはオスラムに対するTOBを今月1日まで実施した。買い取り価格は1株41ユーロで、オスラムを約46億ユーロと評価。62.5%以上の株式確保をTOBの成立条件としていた。実際に確保できたのが51.6%にとどまったことから、失敗に終わった。

AMSはその後、オスラム経営陣と協議を行い、買収計画に対する肯定評価を獲得することに成功した。オスラムのオーラフ・ベルリエン最高経営責任者(CEO)は同日、AMSによるオスラム買収に向けた協議で大きな進展があったことを明らかにしたうえで、「将来性のある戦略構想で両社が合意できると確信している」との声明を発表した。

AMSは新たなTOBで買い取り価格を41ユーロに据え置くものの、成立条件を55%以上の確保へと引き下げる。すでにオスラム株19.99%を獲得し筆頭株主となっていることから、この条件であれば買収が実現する可能性は十分にある。

オスラムに対しては米投資会社ベイン・キャピタルとアドベントがTOBを通して共同買収する意向を示していたが、18日に断念の意向をオスラムに伝えた。

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