化学大手の独エボニック(エッセン)は24日、産業用3D印刷分野のソフトウエアを手がけるイスラエルのスタートアップ企業キャスター・テクノロジーズに資本参加すると発表した。3D印刷向けサービス事業を拡充し、自社の3D印刷材料販売を加速する狙い。出資額と出資比率は明らかにしていない。
キャスターはテルアビブに拠点を置く2017年設立の企業。部品を3D印刷で製造できるかどうかや、適切な材料、製造コスト、リードタイムを割り出すソフトを開発している。メーカーは同社のソフトを使うことで3Dプリンターを導入しやすくなることから、3D印刷利用のすそ野が広がる効果を期待できる。
エボニックは3D印刷材料分野のノウハウでキャスターを支援する。これによりキャスターは幅広い業界にアクセスできるようになる。エボニックは自社材料の販売を増やす効果が期待できる。エボニックは材料の性質を変える添加剤も提供する意向だ。
エボニックは計2本のベンチャー投資ファンドを運営している。資金規模は計2億5,000万ユーロ。イスラエル企業への出資は今回で2件目となる。