バイヤスドルフ―自然化粧品市場に参入―

化学大手の独バイヤスドルフ(ハンブルク)は10月29日、自然化粧品市場に参入したことを明らかにした。同市場は急成長中で、競合ユニリーバ、ロレアルはすでに製品を投入。バイヤスドルフは追随した格好だ。

10月に「フロレア」ブランドから自然化粧品シリーズ「ファーメンテッド・スキンケア」を発売した。差し当たりイタリア市場に限定している。今後はフランス市場を皮切りに「ニベア」ブランドからも「ナチュラーリー・グッド」シリーズを投入する。同社はドイツなど他の市場にも順次、手を広げていく意向だ。

ファーメンテッド・スキンケアは自然化粧品に与えられる欧州認証「コスモス・ナチュラル」を取得済み。一方、ナチュラーリー・グッドは従来型成分を1%使用していることから、同認証を取得していない。

シュテファン・ドレッカー社長は自然化粧品の売上高を今後3年で千万ユーロのケタ台に乗せる意向を示した。

ドイツの2018年の自然化粧品市場規模は12億6,000万ユーロで、13年に比べて3分の1以上、拡大した。

バイヤスドルフが同日発表した19年1~9月の売上高は57億2,500万ユーロで、前年同期を実質4.3%上回った。消費者向け事業が5.1%増の46億8,300万ユーロと好調で全体をけん引。接着剤部門は自動車市場低迷の影響で1.2%増の10億4,200万ユーロと伸び悩んだ。ただドレッカー社長は、電動車では電池やモーター、その他の部品で特殊な接着剤が必要になることを指摘。同部門の先行きは明るいとの見方を示した。

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