ファッション分野の独ネット通販大手ツァランド(ベルリン)は10月30日、カーボンニュートラルの実現に取り組む方針を発表した。持続可能性を重視する消費者が急速に増えていることに対応する。ルービン・リッター共同最高経営責任者(CEO)は、ファッション業界が環境破壊や人権侵害などを引き起こしていることを認めたうえで、「顧客に選ばれるのは、事業戦略に持続可能性を取り入れる企業だけだ」と明言。新方針の実現に意欲を示した。
まずは年内にすべての事業拠点で使用する電力の90%を再生可能エネルギー由来のものに切り替える。同社の業務、商品の送付・返品で不可避的に発生する二酸化炭素(CO2)については植林プロジェクトなどを通して相殺する意向だ。
包装材分野でも再利用が可能なものを2023年までに投入し、ごみの発生を最小限に抑制する。使い捨ての樹脂製包装材は同年までに廃止する意向だ。
プライベートブランド「ZIGN」では2020年春夏物コレクションから人権や環境、動物福祉に配慮した製品へと全面的に切り替える。
リッターCEOによると、同社サイト上での持続可能なファッション製品の検索数は昨年、約70%も増加したという。