トルコの10月インフレ率8.6%、16年12月以来の低水準

トルコ統計局(TUIK)が4日発表した10月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比で8.6%となり、前月(9.3%)から0.7ポイント縮小した。これは2016年12月(8.5%)以来の低い水準。食品や光熱費の上げ幅が縮小したことが大きい。過去12カ月の平均インフレ率は16.8%だった。

分野別にみると、構成比重の大きい「食品・非アルコール飲料」の上昇率が前月から1.6ポイント減の7.9%へと縮小したほか、「住居費・公益料金」(9.7%)も0.6ポイント低下して全体を押し下げた。

一方、「アルコール飲料・たばこ」は43.6%上昇し、値上がりの度合いが断トツに高かった。ほかに上げ幅が大きかったのは「医療」(14.2%)、「その他の商品・サービス」(13.4%)、「宿泊・外食」(13.7%)、「教育」(14.2%)。小さかったのは「通信」(1.7%)と「衣類・靴」(1.9%)だった。「運輸(自動車燃料含む)」は前月の0.7%のマイナスから1.4%のプラスへと転じた。

同国のインフレ率は昨年、通貨リラが対米ドルで約30%下落したのを受けて10月に25.2%まで上昇したものの、その後は低下傾向にある。同国中銀は7月31日に発表したレポートで、今年末のインフレ率を13.9%と予測している。

中銀は今年7月、インフレ率の低下を受けて2年10か月ぶりの利下げを実施。9月と10月にも追加利下げに踏み切り、政策金利を利下げ前の24%から14%まで引き下げた。

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