バルト3国を経由してポーランドのワルシャワとフィンランドのヘルシンキを結ぶ鉄道敷設プロジェクト「レール・バルティカ」の建設工事が、10月29日にエストニアの首都タリンで開始された。建設が始まったのは敷設予定の線路の上を横断する陸橋で、レール・バルティカに関連した初の工事となる。事業母体であるレール・バルティック・エストニアのシルラベ社長は、レール・バルティカのエストニア国内のルートは一部を除き決定していると述べた。
レール・バルティカは汎欧州運輸ネットワーク(TEN-T)の一部を構成するもので、エストニア国内の区間は213キロメートル。既存の路線をほとんど使わず新しく敷設することについてシルラベ社長は、高速走行のためにカーブ箇所を減らす必要があることを理由にあげた。ルートが決定している部分については入札が進められており、来年早々にも合意に達する見込みという。
同社長はまた、工事は順調に進んでおり、2026年の完工予定を見直す必要はないと述べた。30ほどある高架の建設は遅くとも22年までに完了する予定。
レール・バルティカはワルシャワからリトアニアのカウナス、ラトビアのリガ、エストニアのタリンを経由してヘルシンキに至る路線を整備する計画で、総延長は870キロメートル。線路には標準軌(1,435ミリメートル)の複線を採用し、最高速度は時速249キロメートルが想定されている。