移動通信3社が基地局設置で提携

電気通信大手のドイツテレコム、テレフォニカ、ボーダフォンは11日、ドイツ国内における移動通信の基地局拡充で提携すると発表した。3社は6月に終了した次世代移動通信規格5Gの周波数帯割り当て入札で落札。その際、人口希薄地域など採算の取れない地域で4G(LTE)通信を利用できるようにすることを義務づけられたことから、提携を通して基地局の設置コストと時間の削減を図る。

5G周波数帯の落札各社は国内各州の世帯の98%、および主要国道と鉄道を対象に通信速度100メガビット毎秒(Mbps)以上のサービス(4G)を22年末までに実現するほか、24年末までには◇すべての国道で100Mbpsを実現する◇すべての州道と鉄道、港湾、主要河川で50Mbps以上を実現する——を義務づけられた。

ただ、入札では参加企業が激しく競り合ったことから、落札総額が計65億ユーロに達した。これが各社の投資予算を圧迫していることから、3社は手を結ぶことにした。

具体的には基地局を最大6,000カ所、設置する。3社の設置数は均等で、3社は各基地局にそれぞれのアンテナなどを設置する。

移動通信サービス事業者が基地局を相互利用することはこれまでもあった。ただ、相互利用の規模が数千カ所に上る提携は過去に例がなく、3社は提携計画を連邦カルテル庁に提出した。来春までに正式契約を結ぶ意向だ。

3社は5G入札で落札したユナイテッド・インターネット子会社の1&1/ドリリッシュにも提携への参加を呼びかけている。1&1/ドリリッシュはこれまで、テレフォニカから通信網を借り受ける仮想移動体通信事業者(MVNO)だったが、今後は自前の通信網を持つようになる。

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