ドイツ連邦陸運局(KBA)は4日、2019年10月の同国の乗用車新車登録が28万4,593台となり、前年同月に比べ12.7%増加したと発表した。大幅な増加の背景には、昨年9月から欧州連合(EU)で新しい燃費・排ガス試験方法(WLTP)がすべての新車に適応された影響で、前年同月の販売が落ち込んでいた影響がある。1~10月の累計は、前年同期比3.4%増の302万4,751台だった。
10月の新車登録のうち、法人は全体の65.6%(前年同月比16.0%増)、個人は全体の34.4%(6.8%増)だった。
燃料別では、ガソリン車が前年同月比4.5%増の16万4,322台となり、市場シェアは57.7%となった。ディーゼル車は9.6%増の8万8,042台で、市場シェアは30.9%だった。代替燃料車は、電気自動車が4,979台(前年同月比46.9%増、市場シェア1.7%)に伸びた。ハイブリッド車も2万6,382台(138.6%増、9.3%)と好調で、うち、プラグインハイブリッド車は6,947台(248.0%増、2.4%)だった。
ブランド別では、ドイツ勢は、ポルシェ(497.5%増)、アウディ(118.2%増)が3ケタの増加となり、フォルクスワーゲン(VW)(39.4%増)も2ケタの増加だった。メルセデス(5.9%増)、MINI(5.2%増)、BMW(3.4%増)、ドイツに工場のあるフォード(0.1%増)も前年同月を上回った。オペル(29.6%減)、スマート(17.4%減)は2ケタの減少だった。
国外ブランドでは、テスラ(372.6%増)が急伸したほか、アルファロメオ(71.4%増)、ルノー(56.6%増)、サンヨン(34.3%増)、ランドローバー(21.3%増)、セアト(21.0%増)、現代(11.9%増)、シュコダ(10.4%増)が好調だった。
日本勢は、レクサス(27.3%増)が2ケタの伸び率となり、トヨタ(4.9%増)、マツダ(3.6%増)、日産(2.9%増)も前年同月に比べ増加した。スバル(35.4%減)、スズキ(22.6%減)、ホンダ(20.8%減)は2ケタの減少となり、三菱自(6.9%減)も販売を落としている。
■
国内生産・輸出は低迷
独自動車工業会(VDA)によると、国内生産は、10月が前年同月比5%減の40万5,400台、1~10月の累計も前年同期比9%減の398万900台と低迷している。輸出は、国外市場における需要低迷が影響し、10月は前年同月比10%減の30万3,700台、1~10月の累計も12%減の298万3,300台に落ち込んでいる。
VDAによると、国内受注は、10月は前年同月比で1%減少、1~10月では前年同期に比べ5%増加している。国外受注は10月が前年同月比で4%減、1~10月の累計も前年同期比で4%減少した。