シュターダ―武田のロシア事業を部分買収―

独医薬品大手のシュターダ(バート・フィルベル)は5日、武田薬品からロシア・独立国家共同体(CIS)諸国における一部の医薬品事業を買収すると発表した。一般用医薬品と医療用医薬品の計20種類が対象。取引額はシュターダにとって過去最高の6億6,000万米ドル。2020年第1四半期(1~3月)の手続き完了を見込む。対象事業にかかわる約500人のスタッフがシュターダに移籍する。両社はまた、対象製品を武田が引き続き製造してシュターダに供給することでも合意した。

シュターダが取得するのは、一般用医薬品のビタミン剤や栄養補助食品と、心疾患、糖尿病、呼吸器疾患などの治療薬。対象国はロシア、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタンとなる。

シュターダのペーター・ゴルドシュミット最高経営責任者(CEO)は、「ロシア・CIS地域での当社のネームバリューはすでに高い。今後は製品ポートフォリオを拡充し、市場地位の一層の強化を図る」と述べた。

武田にとり今回の事業売却は過去6カ月で4例目となる。同社はアイルランド同業シャイアーの買収で膨らんだ負債を圧縮するため、消化器系疾患などの中核事業を除く資産の売却を進めている。

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