高級車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は14日、収益力の強化方針を発表した。排ガス規制の強化と車両の電動・IoT化を背景に利益が圧迫されているためで、事業プロセス・構造のスリム・効率化を通してコストを圧縮する意向だ。これに伴い2020年と21年は利益が押し下げられる。
乗用車部門では管理職と間接部門で人件費を10億ユーロ強、引き下げる。材料費も削減する。有形固定資産・研究開発投資は19年の額を上回らないようにする意向で、中期的には引き下げる。
バン部門でもコストを圧縮する意向で、人件費は1億ユーロ引き下げる。
トラック・バス部門のコスト削減は欧州トラック事業を中心に実施。同事業の変動費を2億5,000万ユーロ、人件費を3億ユーロ削減する。このほか◇日本の販売・アフターセールス組織をスリム化する◇ブラジルで車台の種類を大幅に削減する――考えだ。
これらの措置により、乗用車・バン部門の売上高営業利益率で20年に最低4%、22年に同6%を確保する。トラック・バス部門ではそれぞれ5%、7%を目指す。金融、フリート、移動サービスを手がけるモビリティー部門では自己資本利益率を20年に12%以上、22年に14%とする目標だ。