クロアチア石油大手INAが、ボスニア・ヘルツェゴビナのガソリンスタンド運営事業者クライナペトロルの取得に乗り出している。これまでに、クライナペトロルの財務・法務監査(デュー・ディリジェンス)を行うことに関し、過半数株主であるスルプスカ共和国(ボスニア・ヘルツェゴビナの構成体)政府の承認を得た。同社はすでに5.3%の株式を保有している。
一方、スルプスカ共和国のバニャ・ルカを本拠とするNESもクライナペトロル買収を狙っている。すでに先週の段階で持ち株比率を5.3%から32.2%へ引き上げ、残りの株式について買収提案を準備中だ。
クライナペトロルはスルプスカ共和国でガソリンスタンド16店舗と貯蔵施設を運営する。従業員数は168人。昨年は売上高で4,920万兌換マルク(2,510万ユーロ)、営業利益(EBITDA)で170万マルク(87万ユーロ)、純利益で76万マルク(39万ユーロ)弱を計上した。
INAは本国クロアチアのほか、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、スロベニアでガソリンスタンドをおよそ500店舗展開する。このうち約45店舗がボスニア・ヘルツェゴビナにある。2019年1-9月期の連結売上高は170億7,500万クナ(22億9,200万ユーロ)、純利益は8億1,700万クナ(1億1,000万ユーロ)だった。(1BAM=61.50JPY、1HRK=16.14JPY)