アウディ―独従業員9.5千人削減へ―

フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディは26日、競争力の強化策を従業員代表との間で取り決めたと発表した。販売不振や自動車業界の構造転換、ディーゼル車排ガス不正問題を受けて業績が悪化していることから、事業効率の改善などを通してコストを削減。ドイツ国内の従業員(6万1,000人)の約6分の1に当たる9,500人を2025年までに整理する。

アウディの工場は内燃機関車の販売不振を受けて稼働率が低下している。独ネッカースウルム工場は年産能力が30万台に上るにもかかわらず、生産台数は17年から今年まで3年連続で20万台を割り込む見通しだ。これを受けて同工場の年産能力を22万5,000台に削減。インゴルシュタット本社工場も45万台に引き下げる。

人員削減は定年退職や希望退職を通して行う意向で、経営上の理由による整理解雇は見合わせる。電動車とデジタル分野では従業員2,000人を新規採用することから、純ベースの削減規模は7,500人となる。

同社はこれらの措置を通して29年までにコストを約60億削減。売上高営業利益率で9~11%を確保するほか、電動車やデジタル化に向けた投資資金を捻出する。

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