ロシア最大手銀行の国営ズベルバンクは28日、ソフトウェア開発大手コグニティ
ブ・テクノロジーズ(CT、モスクワ)と人工知能(AI)を活用した無人制御技術の
開発で協力すると発表した。デジタル経済への関与を強める戦略の一環。合弁会社
「コグニティブ・パイロット」を設立し、主に輸送、農業、コンピュータービジョ
ン(コンピューターによる画像認識技術)、AIの各分野でデジタル経済の活性化に
つながるプロジェクトを手掛けていく。
新会社の出資比率はズベルバンクが30%、CTが70%で、年内に手続きが完了する見
通し。取引額の詳細は明らかにされていない。
CTはディープラーニング(深層学習)を用いたミリ波レーダーによる対象認識技術
を得意とする。新会社ではAIと無人制御技術に基づく先進運転支援システム
(ADAS)の開発にも取り組む。
ズベルバンクはロシアにおけるデジタル経済分野への進出を強めている。今月上旬
にはITサービス大手メール・ル(MRG)とフードデリバリーサービスの合弁設立、
およびMRG親会社のMFテクノロジーの株式36%を取得することで合意した。