化学大手の独BASFが同国東部のシュヴァルツハイデに電池材料工場を建設する方向だ。メディア報道を追認する形で同社と地元ブランデンブルク州のディーター・ヴォイトケ首相が明らかにしたもので、同首相は10日、「BASFと良好な協議を行っている」と明言した。BASFが同地を最終的に選定するかどうかは未定。
同社は2017年、欧州での正極材生産に向けて最大4億ユーロを投じる計画を明らかにした。電動車向けの需要を取り込んでいくことが狙いで、18年には第一弾としてフィンランド南西部のハルヤヴァルタに工場を建設することを決めた。年産能力は電動車およそ30万台分。2020年末から生産を開始する。
BASFは欧州にさらなる正極材工場を設置する意向で、マルティン・ブルーダーミュラー社長は先ごろ、年内か来年初頭に生産地を決定する見通しを明らかにした。
同社の欧州正極材事業に対してはドイツとフィンランドが助成金を交付する計画で、欧州連合(EU)の欧州委員会は9日、同助成を承認すると発表した。