AMS―照明大手オスラムのTOBに成功―

墺センサー大手AMS(プレムシュテッテン)は10日、独照明大手オスラムに対する株式公開買い付け(TOB)で同株59.3%を確保し、TOBの成立条件をクリアしたと発表した。今後は11~24日に新たなTOBを行い、出資比率を引き上げる意向だ。独禁当局の承認を経て買収が実現すると、AMSはセンサーソリューションとフォトクニスの分野で世界有数のメーカーに浮上することになる。

AMSの対オスラムTOBは10月上旬に一度、失敗しており、今回は二度目。買い取り価格は一度目と同じ1株41ユーロに据え置いたものの、TOBの成立条件を62.5%以上の株式確保から同55%以上へと引き下げ実現しやすくした。一度目のTOBで確保できたのは51.6%にとどまっていた。

11日から新たなTOBを実施するのは、オスラム株を中期的に75%超確保し、オスラムと利益移転・支配契約を締結することを目指しているためだ。AMSは買収資金を融資で賄うことから、返済資金の一部をオスラムから取得する算段。残りは増資で確保する意向で、株主の承認を得るために1月に臨時株主総会を開く。

オスラムは自動車や電機など幅広い業界に製品を供給している。AMSは同社の買収により、米IT大手アップルへの依存を引き下げる。AMSの戦略に合致しないオスラムの一部事業は転売する意向だ。

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