アゼルバイジャン産の天然ガスをジョージアとトルコ経由で欧州に運ぶアナトリア横断パイプライン(TANAP)が11月30日、全線開通した。ギリシャとブルガリアに接するトルコの町エディルネで開かれた式典には、同国のエルドアン大統領やアゼルバイジャンのアリエフ大統領、ジョージアのガハリア首相らが出席した。
TANAPはジョージアとの国境に近いトルコのアルダハン県東部からギリシャとブルガリア国境までの1,850キロメートルを結ぶもので、アゼルバイジャンとジョージアを結ぶ南コーカサスパイプライン(SCP)、ギリシャからアルバニアと北マケドニアを経由してイタリアに至るアドリア海横断パイプライン(TAP)と接続し「南ガス回廊」を構成している。
TANAPの年間輸送量は当初160億立法メートルで、うちトルコに60億立法メートル、欧州に100億立方メートルを振り向ける。権益は、南ガス回廊の事業会社SGCが51%、トルコの石油パイプライン会社ボタシュが30%、英BPが12%、残りの7%をアゼルバイジャン国営石油会社ソカールの現地子会社が保有している。
同パイプラインは昨年6月にトルコのアンカラ西方のエスキシェヒルまで部分開通していた。