チェコ中銀、「来年も現行金利を維持」=副総裁

チェコ中央銀行のニデツキ副総裁は10日、2020年も現行の政策金利(2%)が維持されるとの見通しを示した。世界金融市場におけるリスクの存在が輸出を強みとするチェコ経済に影を差しているためで、長期的な物価動向を見据えた上で政策を決定する方針だ。

米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中銀が金融緩和に動く一方で、チェコは利上げを検討する欧州でも数少ない国の一つだ。過去2年半の間に8度の利上げを実施してきたが、主要取引先の国々における景気減速を受け、ここ4カ月は金利を据え置いてきた。

チェコのインフレ率は11月に3.1%となり、過去7年で初めて中銀目標の上限(3%)を超えた。住宅費や食品価格が物価を押し上げた。

ニデツキ副総裁は、「インフレ率が目標値を超えたことから18日の金融政策会議で再び利上げ論が浮上することは確かだが、製造業の新規受注縮小が示唆する景気減速や、地政学的リスクを顧慮すると、判断には慎重さが求められる」とし、「現状の不透明さを踏まえれば、今は金融政策を変更する時ではない」と話した。

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