ロシア原子力公社(ロスアトム)は9日、子会社アトムエネルゴプロムを通じて同国の運輸・ロジスティクス企業デロ(Delo)の株式30%を取得したと発表した。北極海航路を利用した欧州と東アジアを結ぶ複合一貫輸送ルートの開発を共同で行う。取引額などの詳細は明らかにされていない。
ロスアトムは砕氷船運営子会社のロスアトムフロートを通して原子力破氷船の保有・運航も行っている。一方デロは港湾・コンテナターミナル事業者のグローバル・ポーツの株式を持ち、同社を通してバルト海沿岸とサンクトペテルブルク、極東ナホトカのボストーチニーでターミナルを運営している。
デロは今年11月、ロシアの鉄道貨物輸送会社トランスコンテナの株式50%以上を取得する権利を落札した。一方、ロスアトムが6月に北極海航路の開発・発展を目的に開催した「北極海航路評議会」には、ロスアトムフロート、民間ガス大手ノバテク、商船三井(MOL)などが参加している。