「中国企業が特許侵害」、電池製造ファルタが法的措置を視野に

電池大手の独ファルタは8日、同社の特許を侵害しているとして中国企業2社に警告文書を送付したことを明らかにした。両社が適切な対応を速やかに取らない場合は仮処分を申請するとしている。

同社は充電可能なコイン型リチウムイオン電池の分野で特許を侵害されたと主張している。同電池市場はワイヤレスヘッドホンなど無線を用いる小型ハイテク製品の需要増を受けて急速に拡大している。

ファルタは同電池の世界最大手メーカー。需要の急増を受けて生産能力の引き上げに取り組んでいるものの、ニーズの拡大に対応しきれないのが現状だ。ファルタが特許侵害と批判する中国2社はこの状況を受けてコイン型電池を市場投入したとみられる。

ファルタは自社の特許を侵害する同電池の存在を12月初旬に把握した。同社の計6件のパテントファミリーを侵害しているという。

ファルタは同中国2社の電池を搭載したヘッドフォンの販売を停止するようネット通販大手のアマゾンや、家電量販チェーンのメディアマルクト、ザトゥーンなどに働きかけている。

コメルツ銀行のアナリストは、ヘッドフォンメーカーはファルタの供給能力不足を受けて中国製電池を採用したとの推測を示したうえで、同社の特許が本当に侵害されたかどうかは現時点で不明だと指摘。この不透明性はファルタ株のマイナス材料になると述べた。同株は8日に急落した。

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