ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した1月の乗用車新車登録台数は前年同月比7.3%減の24万6,300台となり、5カ月ぶりに減少した。比較対象の2019年1月は水準が高かったうえ、営業日数が1日多かったという事情が背景にある。新車登録台数は大幅に減少したものの、同月としては2000年以降で3番目に高い数値となった。
マイカーとしての登録が11.6%減少。同シェアは前年同月の33.1%から31.6%へと落ち込んだ。社用・公用車は5.1%減で、シェアは66.8%から68.4%へと拡大した。
新車登録を動力源別でみると、ガソリン車は17.2%減少し、シェアは前年同月の57.6%から51.5%へと縮小。ディーゼル車も12.4%減と振るわず、シェアは34.5%から32.6%へと低下した。
環境対応車では電気自動車(EV)が61.2%増の7,492台と大きく伸び、シェアは前年同月の1.7%から3.0%へと拡大した。ハイブリッド車(HV)は103.1%増の3万805台と3ケタ台の伸びを記録し、シェアは5.7%から12.5%へと伸びた。プラグインハイブリッド車(PHV)が307.7%増の8,639台と全体をけん引。PHVのシェアは0.8%から3.5%へと拡大した。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量(世界統一試験サイクル=WLTPで測定)は151.5グラムで、前年同月から4.5%減少した。環境対応車が大幅に増えたことが大きい。
車種別ではキャンピングカーが48.7%増と特に大きく拡大した。スポーツ車(17.4%増)、中型車(17.1%増)、オフロード車(12.6%増)も2ケタ台の伸びとなっている。超小型車(37.8%減)、大型バン(32.8%減)、大型車(31.5%減)は大幅に落ち込んだ。SUVは6.5%減少したものの、シェアは前年同月の20.4%から20.5%へと拡大し、コンパクトカー(シェア19.4%)を抑えて1位となった。
増加率が最も大きかったブランドはEV専門のテスラで、前年同月比167.9%増の367台に拡大した。レクサスも116.0%増の391台と3ケタ台の伸びを記録している。このほかDS(64.9%増の366台)、ジャガー(63.4%増の887台)、ポルシェ(52.7%増の2,012台)が50%以上の伸びを確保した。
ポルシェ以外のドイツ車では高級ブランドのBMW(6.5%増の2万454台)、メルセデス(2.9%増の2万6,034台)、アウディ(1.2%増の2万2,066台)が増加。VW(4.1%減の4万8,744台)、ミニ(17.3%減の3,095台)、フォード(17.7%減の1万7,335台)、オペル(24.3%減の1万2,279台)、スマート(96.7%減の108台)は振るわなかった。
レクサス以外の日本車では三菱が28.5%増の4,228台と大きく伸び、日産(3.6%増の2,983台)も前年同月を上回った。そのほかはホンダが11.2%減の958台、トヨタが17.5%減の5,488台、マツダが36.9%減の3,526台、スバルが53.9%減の372台、スズキが56.0%減の1,304台と減少幅が2ケタ台に達した。
日本車以外の主な輸入車ではセアト(26.7%増の1万416台)、シトロエン(2.4%増の4,898台)、ルノー(0.0%増の9,936台)が増加。シュコダ(2.5%減の1万4,295台)、フィアット(10.4%減の4,428台)、現代(11.6%減の8,217台)、ボルボ(12.5%減の3,314台)、ランドローバー(13.1%減の1,591台)、起亜(14.8%減の4,617台)、ジープ(15.2%減の1,028台)、プジョー(15.8%減の5,135台)、アルファロメオ(17.8%減の254台)、双竜(18.6%減の131台)、ダチア(42.3%減の3,810台)は減少した。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した1月の国内乗用車生産台数は前年同月比8%減の34万1,600台へと後退した。輸出台数も11%減って25万5,600となった。