ライフサイエンス大手の独メルクは27日、積層造形技術を利用した錠剤の製法開発で3Dプリンター世界最大手メーカーの独EOSと協業すると発表した。錠剤生産のスピードアップと低コスト化を図ることが狙い。メルクのイザベル・デ・パオリ最高戦略責任者(CSO)は「錠剤生産プロセスに革命をもたらす可能性を秘めている」と述べ、今回の協業の意義を強調した。
EOSの子会社AMCMと協業する。まずは、原料の入庫から製造、出荷にいたる全ての過程で製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるようにするための規則である「適正製造規範(GMP)」に合致した製法を開発したうえで、臨床試験用の錠剤を製造。将来的には産業規模での生産サービスを実現する。
メルクによると、錠剤の積層造形では従来の製法に比べて生産プロセスが簡素化される。柔軟性も高まることから、各市場や患者のニーズに合わせた錠剤を現地で製造することも可能になる。