独と中・南東欧の貿易拡大、V4諸国がけん引

世界経済が減速する中、ドイツの輸出相手国としての中欧・南東欧諸国の重要性が増している。独経済東欧協会東方委員会(OAOEV)によると、対象となる29カ国への昨年の輸出額は前年比2.5%増の2,310億ユーロに達した。貿易総額は1.3%増の4,610億ユーロで、ドイツの全貿易額の19%を占めている。

同地域でドイツとの貿易額が最も大きかったのはポーランドで、昨年の貿易高は前年比4.2%増の1,230億ユーロとなり、英国を抜き第6位の貿易相手国に浮上した。これにチェコ(930億ユーロ、1%増)、ロシア(580億ユーロ、6.5%減)、ハンガリー(560億ユーロ、4.2%増)と続き、中欧4カ国(ヴィシェグラード4カ国=V4)のうちスロバキアを除く3カ国が上位を占める形となった。

こうした状況について独経済東欧協会のヘルメス会長は、英国の欧州連合(EU)離脱の結果、EUのイノベーション拠点として東欧の重要性が増していると述べた。同氏はドイツ企業が同地域でこれまでに900億ユーロの設備投資を行ってきており、今その成果が表れていると話す。V4構成国との貿易額は昨年初めて3,000億ユーロを上回った。

また、ドイツの南東欧諸国との貿易額は平均をやや上回るペースで増加した。特筆すべきはEU加盟交渉が進められているセルビアで、貿易額は前年比で10%以上増加し50億ユーロに達した。北マケドニアは9%増の45億ユーロ。ルーマニア、ブルガリア及びクロアチアとはそれぞれ1~3%増加した。

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