新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ロシアの航空会社が国際線の運航を見直している。当局が首都を除く欧州の都市とモスクワを結ぶ路線の運航を禁止したためだ。ただ、各社の判断で首都路線でも休航のケースがある。
アエロフロートは今月19日からフランクフルト・アム・マイン、ミュンヘン、チューリヒ便、20日からウィーン便の運航を停止すると発表した。このほかにもプラハ、ワルシャワ、コペンハーゲン、タリン、ヴィリニュスなどへの運航を休止している。
ベルリン、ブリュッセル、ブダペスト、ロンドン、アテネ、ローマ、アムステルダム、ジュネーブ、ヘルシンキについては、まだ通常通りだ。
アエロフロート子会社のロシア航空は16日の時点で欧州全路線の運航を停止した。アエロフロートの格安航空(LCC)子会社ポベダは、ドバイ及びモンテネグロのティヴァト、アルメニアのギュムリ、トルコのアンタルヤ、アランヤを除く国際線を休航している。
S7航空はモンテネグロ、トルコ、アルメニア、中央アジア方面のみ運航。ウラル航空は数日中にザルツブルク、アムステルダム、ブダペスト、キプロスのラルナカ、カザフスタンのアルマトイ便を休航する。同航空はすでにドイツ、スペイン、イタリア、フランス方面などの路線運航を停止している。
鉄道の国際運行も縮小している。ロシア国鉄(RZhD)は先週、ドイツ、フランス、チェコ、ポーランド、モンゴル方面路線を運休すると発表した。モルドバ、ウクライナ、ラトビア、ウズベキスタン、アゼルバイジャン線はすでに休止している。フィンランド線は当面、運行を続ける。
■航空業界、1,000億ルーブルの損失も
連邦航空運輸局(ロスアヴィアツィア)のネラドコ局長によると、コロナウイルスを原因とする国内航空業界の損失は1,000億ルーブル(約14億米ドル)に達する可能性がある。企業倒産につながる恐れもあり、運輸省と業界支援策を検討中という。(1RUB=1.43JPY)