ロシア・サンクトペテルブルク市は17日、「日産自動車がロシア市場から撤退するという通知は受けていない」と発表した。同社が撤退を検討しているというロシア経済紙『コメルサント』の報道を受けたものだ。
日産はロシアで唯一の工場を同市で操業しているが、今月に入り、国内需要低迷を理由に同工場の生産体制を単一シフトへ移行すると発表した。移行に伴う減員を検討していることを明らかにしている。
現地の欧州ビジネス協会(AEB)によると、日産のロシア販売台数は2019年に20%減の6万5,000台に縮小した。今年1月も1%減の4,900台にとどまっている。ロシア自動車業界調査会社のオートスタットは、展開モデル数が少ない上に、安価な競合モデルに押されているためと分析している。
サンクトペテルブルク工場は2009年6月に操業を開始した。年産能力は10万台だが、2019年の実績は前年比7.4%減の5万2,339台にとどまった。生産車種は中型SUVの「Xトレイル」、大型クロスオーバーSUVの「ムラーノ」、コンパクトSUVの「キャシュカイ」の3種類だ。