チェコ政府は16日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による国内経済への影響が深刻化する懸念から、企業の支援措置としてすでに採択していたゼロ金利融資プログラムの貸付資金を10億コルナ上乗せし、20億コルナ(7,200万ユーロ)とすると発表した。同時に融資対象を自営業者にも拡大した。
ハヴリチェック産業交通相によると、融資プログラムには16日時点で437企業から50万~1,500万コルナ規模の申請があった。プログラム拡大の発表を受けて、17日午後には申請数が飲食店、ホテル、旅行代理店を中心に約900社に拡大した。
チェコ中央銀行は16日の臨時理事会で主要政策金利である14日物レポ金利を0.5ポイント引き下げて1.75%に設定し、2017年8月に始まった利上げ基調にブレーキをかけた。ルスノク中銀総裁はチェコの経済成長が来年半ばごろまで悪化する懸念について、「悪化シナリオの可能性が高まっている」としたうえで、リーマンショックで世界経済危機となった2008年当時より自国の状況は「はるかに良い」と強調した。中銀は当初、今年の経済成長率を約2%と予測していた。
中銀はまた、世界金融危機に陥った際の国内金融市場の支援措置に関する規定を改定した。中銀の流動性準備金はリーマンショック後より3割多いとしている。(1CZK=4.26JPY)