英国のジョンソン首相は23日夜、国民向けのテレビ演説で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出制限措置を発動すると発表した。英国は他の欧州諸国と比べて行動制限が緩やかだったが、ウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、対応の強化に踏み切った。
同措置では生活必需品や医薬品を購入する場合や、最低限の運動を除いて、市民に自宅待機を求める。医療関係者や建設現場、工場で働く人、在宅勤務ができない労働者は例外とする。
ジョンソン首相は同時に、食品店や給油所、薬局、郵便局、銀行など生活に不可欠なサービスを提供する事業者を除き、休業・店舗閉鎖を決めた。図書館、ホテル、宗教施設なども含まれる。また、同居していない2人以上の者による戸外での集会や、結婚式を含むイベントも中止する。
英政府は20日から全土で学校を閉鎖したが、外出や営業は自粛を要請するにとどまっていた。しかし、23日に54人が新型コロナウイルス感染で死亡し、死者数が335人に増えるなど感染拡大が続く中、フランスやイタリアなどと同様の厳しい封じ込め対策を講じることを迫られた。
制限に従わないものは罰金支払いや、警察による強制的な帰宅といった厳しい措置が適用される。同措置は3週間後に見直され、状況が改善していれば緩和される可能性がある。