トルコで非接触式決済が急拡大、新型コロナが影響

トルコでカード決済システムを運用するインターバンクカードセンター(BKM)は先ごろ、同国でクレジットカード及びデビッドカードによる非接触式決済の利用が大きく増えていることを明らかにした。それによると、2月の実店舗およびネット通販における非接触式カードやモバイル端末による決済回数は全体の約15%に上り、前年同月からおよそ10%増加した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、消費者が現金の利用を避けるようになっていることが背景にある。

BKMのソネル・サンコ所長によると、非接触式カードの1日当たりの利用回数は300万回を超える。同所長は、非接触型の支払いはすでに日常の一部となっており、普及が急速に進んでいると説明。BKMが非接触カードの利用限度額を現在の120リラから250リラ(約35ユーロ)に引き上げることを決定したと述べた。

コロナウイルスの感染がトルコで確認されるようになった3月初旬の11日間では、カードやモバイル端末による非接触型決済の利用回数は3,100万回となり、この時点で前月比23%と大きく増加した。カード利用のみの増加率は12%だった。

世界保健機関(WHO)はコロナウイルスの大規模感染(パンデミック)を防ぐため、紙幣や硬貨に代わり非接触型の決済手段を用いるよう勧告している。

BKMによると、トルコで利用されている非接触型カードの枚数はクレジットカードが3,890万枚、デビッドカード及びプリペイドカードが3,630万枚となっている。2月のカード決済全体の利用額は849億リラ(120億2,550万ユーロ)で、前年同月から29%増加した。このうちクレジットカードは25%増、その他のカードが52%増だった。

同国ではスマートフォンによるモバイル決済も増加しており、昨年の利用回数は前年の2.5倍の37万6,000回に拡大した。(1TRY=17.30JPY)

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