欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は3日、イタリアで人工呼吸器の部品の生産を開始したと発表した。同国で人工呼吸器製造を手がけるシアレ・エンジニアリングに主要部品の電磁弁を供給する。
イタリアでは新型コロナウイルスの感染拡大で、医療機関で人工呼吸器が不足している。このため、政府はシアレに生産台数を通常の3倍に拡大するよう要請していた。
FCAは新型コロナウイルス対応で閉鎖していた伊北部チェントにある工場の操業を再開し、生産を自動車エンジンから電磁弁に切り替え、シアレの増産を支える。さらに、同社の技術者チームをシアレの工場に派遣し、増産に協力する。
同社によると、シアレは電磁弁供給が拡大することで、人工呼吸器の生産時間が最大30~50%短縮する見込みという。