自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)は1日、国内従業員の約半数に当たる3万人の操業時間を同日から短縮すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた措置。エルマー・デーゲンハルト社長は「危機的な局面では資金繰りの確保が最も重要になる」と述べ、労働時間と人件費の削減のほか、緊急性のないプロジェクトと投資の先送りを表明した。
各国政府が打ち出した新型コロナ対策や生産停止、自動車メーカーなどのコスト削減を受けて同社は厳しい状況に置かれている。世界の工場およそ250カ所のうち40カ所以上は現在、停止中だ。第1四半期(1~3月)の売上高は推定で前年同期の110億ユーロから94億~98億ユーロへと縮小。売上高営業利益率(調整済みベース)も8.1%から2~3%へと低下した。
国の支援を受けることは現時点で考えていない。手元資金が23億ユーロあるうえ、未使用の融資枠も46億ユーロに上るためだ。ただ、新型コロナの拡大抑制に向けて欧米で現在、取られている措置が長期化した場合は国の支援を受ける可能性を排除していない。デーゲンハルト社長は「どんな企業であってもいつかは限界に達する」と述べた。