メール・ルとズベルバンク、食品宅配事業者を買収

ロシアのインターネット大手メール・ル・グループ(MRG)と同国金融最大手のズベルバンクが、食品宅配事業者サモカート(Samokat)を買収する。複数の金融投資家から株式合計75.6%を取得する。競争当局の承認を経て、6月末までに手続きを完了する見通しだ。取引金額などの詳細は明らかにされていない。

サモカートはモスクワとサンクトペテルブルクで、食品・日用品の宅配サービスを提供する。オンラインで注文を受け、両市の140カ所で運営するダークストア(ネットストア専用の物流施設)から商品を届ける。15~30分というスピード配達が売りだ。

ズベルバンクのハシス副総裁は今回の取引について「食品・日用品の配達サービスは電子商取引(EC)業界でも成長が著しい。サモカートはダークストア部門のトップ企業であり、その事業モデルは有望だ。また、同社の経営陣にも信頼を寄せている」と話した。さらに、サモカートが「新型コロナウイルスが流行する中、隔離中の人々の食品調達手段という社会的な機能を果たす」とし、現状がサービスの認知度向上に追い風となるとの見方を示した。

MRGとズベルバンクは昨年11月、オンラインとオフラインを連携させた020(オンライン・トゥ・オフライン)を基盤とする出前・配達サービスで提携した。両社の関連事業を折半出資の合弁会社に束ね、長期的に最大650億ルーブル(7億6,500万ユーロ)を投資する計画だ。(1RUB=1.43JPY)

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