フィッチ、ルーマニア格付け見通しを引き下げ

米格付け大手のフィッチ・レーティングスは17日、ルーマニアの長期信用格付け見
通しを「安定的」から「弱含み」に引き下げた。新型コロナウイルスの世界的流行
が、脆弱な財政基盤に追い打ちをかけるためだ。格付け自体は「BBBマイナス」で
据え置いた。
フィッチによると、ルーマニアは今年、景気の大幅後退(マイナス5.9%)と歳出
増加のはさみ撃ちで、財政赤字が国内総生産(GDP)比8%に悪化する。国家債務も
GDP比35.2%から45%弱へと大幅に拡大する。
来年は5%以上の経済成長が見込まれる。しかし、新型コロナウイルスの影響の全
容は現時点では不透明だ。ここ数年の財政運営の失策も響いて、中期的に財政健全
化を達成するのは難しい。
ルーマニア財務省は18日、フィッチの評価について「新型肺炎(Covid-19)と、過
去の社会民主党政権の財政運営の失敗に基づくもの」とコメント。まずは、新型肺
炎の影響緩和とルーマニア経済の回復に向けた政策に集中する姿勢を明確にした。
ルーマニア政府は15日に今年の経済予測を下方修正し、成長予測は1.9%のマイナ
ス、財政赤字はGDP比6.7%に拡大するとした。

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