スペインの自動車部品大手グルーポ・アントリンは、車内の衛生環境の改善に寄与する内装部品の開発に取り組んでいる。当初は、カーシェアリング用の車両の衛生面の改善やアジアにおける車内のにおい消しニーズが開発の発端だったが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、内装部品の表面の抗菌技術や車内の空気質の管理やモニタリングに関するニーズが高まると予想している。
同社は例えば、殺菌作用のある竹などの天然素材を原料とする繊維を使用した部品や、抗菌添加剤を配合した材料を工程に組み込んだ殺菌性のあるプラスチック表面加工技術を開発している。
また、空気質に関しては、車内における揮発性有機化合物(VOCs)や粒子状物質などを削減する技術の開発に取り組んでいる。具体的には、紫外線による殺菌、光触媒活性表面、揮発性物質の吸収、イオンやオゾンシステムによる清浄など、空気のろ過と表面殺菌を組み合わせたシステムを開発している。